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Diva!【イナズマイレブンGO】

第23章 Relaxation!〈遠坂 雪音〉


ーー翌日

『昨日は…ごめん』
「気にしてない」
『勝手に、帰っちゃったから』

放課後の誰もいない教室だった。部活を終えた生徒も多く、空は暗くなり始めている。だからこの時間を選んだ、というのもあるのだけれど。

「なら、やり直しさせてくれ」
『やり直し?』
「今月の23日、縁日があるだろ」
『うん』
「それでチャラだ」
『うん…?』

つまり一緒に来て、って事だよね?そういう事で、合ってる…よね?

『え、えっと…』
「い、嫌なら…良い」
『い、嫌じゃない!嫌じゃない…けど…い、一緒に回るっていう認識で…合ってる、よね』
「あ、ああ」
『そ、そうだよね…!あはは…!』

ゆ、浴衣持ってたっけ…!後で瑠璃さん辺りに相談しに行こう…。

「い、一緒に…帰らないか」
『い、良いけど…』

ふ、雰囲気を明るく…明るくしたい…!気まずいったらありゃしないんだから…!

『あ、そういえば、昨日の写真消した?』
「いや、消してない」
『ちょっと!私許可してないんだから!消してよ?幼稚園児みたいな顔が残るのは論外なんだから!』
「案外引き摺ってるんだな」
『う、煩いなぁ!高校生が幼稚園児って言われると結構ぐさっとくるんだからね!』

仲直り、出来たのかな。まだ気持ちを伝える勇気は無いんだけど…いずれは言わなくちゃいけないものなんだと思う。

『ただいま帰りました』
「お帰り、雪音ちゃん。あら、剣城君も一緒だったのね。ご飯食べてく?」
「剣城、今日は家に誰も居ないんでしょ?食べてってよ!」

天馬もニコニコしながら剣城を夕食に誘っている。多分、殆どの人はこのコンビに頼まれたら断れないだろう。

『諦めて食べてきなよ。断れないでしょ』
「…」

無言を肯定と見做して、靴を脱いだ。

『私着替えてくるから、天馬の部屋に行ってて』
「分かった」

部屋着に着替えてキッチンへ戻る。秋さんの手伝いをして、みんなでご飯を食べた。

「そういえば、もうすぐ夏祭りだけど、剣城は行くの?」

天馬のその一言に、さっきの事を思い出してしまう。

「ああ」
「雪音は?」
『え?ああ、うん、行くけど?』
「なるほどね。楽しんでらっしゃい。浴衣は瑠璃ちゃんが用意してると思うから」
「え?どういう事?」

秋さんには全てお見通しだったらしく、天馬は首を傾げている。一方、当の私達は顔を真っ赤にして俯いていた。
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