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Diva!【イナズマイレブンGO】

第3章 Everyday!〈栗花落 菖蒲〉


今日も太陽に呼ばれたので、病院に行ってみれば…読んだ本人の姿が見当たらない。

『トイレ…?』
「あっ…また居ない!もう、太陽君ったら…」

看護婦さんが困っている。そんなにお騒がせ要因なのかな、太陽は。

「太陽君に面会?ごめんなさい、今脱走中で…」
『脱走?』
「そう。時々こんな風に脱走するのよ。良ければ手伝ってくれる?」
『あ、はい』

いつも通りの時間に来てるのに、おかしいな。姉さんも明日には退院だから、言いたい事あったのに。取り敢えず中庭へ探しに行こう。

「兄ちゃんすげーっ!」
「ねぇ!もっとやってくれよ!」

声の聞こえる方を見てみれば、オレンジの髪の少年が膝でポンポンとリフティングをしているではないか。

『太陽』
「げっ…菖蒲…」

太陽は急いで少年達にボールを返し、此方に駆け寄ってきた。

『何やってたの』
「だって、ずっと病室の中だなんてつまらないんだよ…」
『はぁ…もう良いよ。看護師さんも心配してたし、病室に戻ろう。私も一緒に怒られてあげるから』
「えっ…良いの?」
『うん、だから早く行こう』
「うん!」

元気だなぁ。そんなに元気が有り余ってるのなら、どうして病院に居るんだろうか。私が…聞いても良い事なんだろうか。

「太陽君!」
「うっ…冬花さん…」
「また病室を勝手に抜け出して!」
「あ、菖蒲〜!」
『あ、ちょっと…!』
「もう…」
『わ、私から言っておきますから…あんまり怒らないであげて下さい』
「…分かったわ。お願いね」

はぁ…全く。太陽も姉さんと同じ匂いがする。

『太陽。次来た時病室に居なかったら、もう二度と来ないからね』
「えっ…」
『呼んでおいて居ないとか、最低だからね』
「うっ…」
『まぁ良いや。今日は伝えたい事があってきたんだ』
「伝えたい事?」
『この時間に来れなくなる』

その言葉を伝えた瞬間に太陽の顔が引き攣った。何か変な事でも言ったかな。

「え…」
『今度から、部活をやる事になったから…こんな早い時間に来れなくなる』
「あ、そういう事か…」
『何?』
「いや、もう会えないのかと思って…」
『人の話聞いてた?時間って言ってたでしょ』
「菖蒲は何の部活をやるの?」
『サッカー部のマネージャー。頼まれたから』
「サッカー…か」

どうして、サッカーという言葉を言うと、君はそんなに辛そうな顔をするんだろう。
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