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Diva!【イナズマイレブンGO】

第19章 Turbulence!〈遠坂 雪音〉


「学級委員長やりたい奴いるかー」
『はい』

問答無用で手を上げた。これなら帰りが遅くなる口実を作る事ができる。これで…!

「じゃあ、北大路な。じゃあ次、副委員長…っと、おお、剣城、やってくれるか」

はぁ⁉︎何で此奴まで…?

「良かったじゃん」
『菖蒲…もう何が何だか分かんないんだけど…』

こんなんじゃ、残ってても楽しくないし!

「じゃあ早速だが、今日の放課後に残って生徒会総会の資料作り、頼むな」

嘘でしょ⁉︎今日から早速とか御都合展開要らないから!

ーー放課後

『はぁ…』
「何も溜息吐かなくて良いだろ」
『折角…此処でなら楽しい時間が過ごせるって思ったのに』
「悪い…」

何?そんないきなりしょぼくれられると困るんだけど…。

『ああ、もう!分かったから…普通に話しよ?嫌々やっててもしょうがないし。楽しくないなら、楽しくするしか無いじゃん』
「そうだな」

そう言いながら二人でカチカチとホチキスで資料を留めていく。

『そういえば、昔の私達の話、聞いた事無かったね』
「聞くか?」
『うん、聞きたい』
「言う程、何も無かった」
『へぇ…』
「キスで終わった」

それでもキスまで行ったんだ。へぇ…凄いな。昔の私。きっと全部受け身で生きてきたんだろうけど。

『その時もやっぱり受け身だった?』
「受け身?」
『何でもない』

私は…きっとこれからも此奴と仲良くなる事は無いと思う。

『私、記憶無いのは知ってるでしょ?でも、記憶を無くす前の私は大嫌い。軽蔑さえもする。だから、そんな私を好きだったあんたも、大嫌い』
「言いたい事はそれだけか」
『な、何?』
「俺がお前を諦めるつもりはない」
『何で⁉︎あんたは、昔のあの従順な私が好きだったんでしょ⁉︎どうして今の私に関わるの?』
「俺が好きなのはお前の中に宿ってる「人格」じゃなくて、「お前自身」だからだ」

何で。何でそういう事言うの。狡いよ。普通は、見た目とか性格とかそういうもんで好きになるんじゃないの?

『意味…分かんない…!』
「終わったな。後は俺が運ぶから、先帰って…」
『やだ』
「は…」
『やだって言ってんの!私も一緒に職員室に運ぶ!』

だって、嫌なんだもん。家に帰るのがっていうのもあるけど…なんとなく。

「お前…」
『い、良いの!どうせ暇だし!家に帰ったってやる事無いから!』
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