第18章 Exchange!〈栗花落 菖蒲〉
「そういう事だから!宜しくねー!菖蒲!」
『ちょっと!姉さん!』
姉さんに帝国の制服を分捕られてしまい、仕方なく新雲の制服を手に取った。
『はぁ…』
しかも新雲は確か今日がテストだった。姉さん…私にやらせる気だな…?
「蓮華〜!おはよ〜!」
『おはよ〜!』
姉さんのキャラってこんな感じで合ってるのかな?まぁ、失敗しても今日限りだし、さして問題は無い…と思いたい。
『おはよー!』
「おはよう蓮華ちゃ…ん?」
げっ…太陽…!もう気付いた…?いやいやそんな訳無い…よね…?大体近付いて見なきゃどっちがどっちか分からないって言われるくらいだし、遠くから見たくらいじゃ分からない筈…!
『はぁ…』
「どうしたの?溜息?蓮華ちゃん」
太陽が顔を覗いてきた。正直バレているのかいないのかよく分からない。
「きゃー!お似合いねー!」
え…?太陽って、学校では姉さんとそんな風に見られてるの?そっか…姉さんの方が会話も弾んで、一緒に楽しめるのかもね。つまらない…私みたいな奴なんかより。
『何でも無いよ〜』
男子は姉さんの様なゆるふわな感じが好きなのだろうか。だとしたら、私はきっとその真逆だ。ゆるくもなければふわふわもしていない。
「テスト始めるぞ。席つけ」
着席すると、そのまま解答用紙が配られ始め、テスト体制になっていく。ちょっと腹いせに全部満点取ってやるんだから。それで友達に心配されると良いんだ!
「始め!」
開始25分で全ての空欄を完璧に埋めて、堂々と待っていた。絶対姉さんにギャフンと言わせてやる…!
『あぁ…終わったぁ…』
「栗花落さん、日直宜しく!俺、朝やったからさ!」
『え、えぇ…⁉︎』
ど、どうしよう…!日直なんて何やれば良いの?帝国と同じ様にやれば良いのかな…⁉︎
「蓮華ちゃん」
『たっ…太陽…!くん…?』
あ、危ない…!いつもの調子で呼び捨てで呼ぶ所だった…!
「日直、手伝おうか?」
『あ、でも…』
「僕は大丈夫だから、ね?」
こっちは大丈夫じゃありません!どうすれば良いんでしょう…。
「僕は日誌やるから、蓮華ちゃんは黒板を消して?」
『うん』
私は背が高い方だし、黒板の上の方まで届く。けれども、今日はテストだったから殆ど何も書いてないのが幸いし、頑張らなくても手が届く位置に書いてある。
「蓮華ちゃん、終わった?」