【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第18章 ◇第十七話◇歓迎会【調査兵団入団編】
結局、私は彼らに助けられているのに、ペトラ達は、は仲間のために戦う危ないところがあるという話で盛り上がりだしてしまった。
「言っておくがな、。おれは、あのとき、わざと捕まえられようとしたんだ。
お前に、巨人からの逃げ方を教えたくてな。」
「そうだよね。ごめんね。」
「わかっていればいい。
もう二度と、おれを助けようなんてなめた真似はするんじゃねぇ。」
「了解です、オルオ様。」
あのとき、立体起動装置の操作が間に合わない状況で、悲鳴を上げていたオルオのことを覚えていないわけではないが、そこは敢えて記憶から消してあげるのが彼のプライドのためだ。
だから、私は、聞き飽きた言い訳を聞き流す。
ついでにオルオを持ち上げておくことを忘れてはいけない。
そうすれば、彼は、自分ひとりの世界に入り込んで静かになってくれる。
調子に乗ったオルオが、おれ様オルオ様がどれほど素晴らしいかを語りだした。
…静かにはならなかったのが、想定外だ。
「でもね、。ハンジ分隊長やナナバさん達にも言われてると思うけど、
生きて帰る、っていうことが一番大切なんだよ。
そのためには、時に非情な選択だって必要なことは忘れないで。」
「でも…。」
ふいに、ルーカスのことを思い出した。
たぶん、母親は、恋人であるルーカスに私を叱ってほしくて、私が指輪を探すために巨人のうろつく危険な街へ戻ったと教えたんだと思う。
でも、その話を聞いたルーカスは、とても喜んだ。
自分のことをそこまで愛してくれているのかーと。
私が危険を冒すことで、喜んでくれる人だっているのだ。
それに、誰が何と言おうと、エルヴィン団長の前で誓ったように、私は誰も死なせない兵士になることを目標にして厳しい訓練を受けている。
それが誰であっても、たとえ私の訓練のために巨人に食べられようとした先輩兵士であっても、命の危険があれば飛んでいくし、戦う。
絶対に―。
「でも?」
「…ううん、何でもないの。」
私は首を横に振って、ルーカスとの記憶と一緒にお酒を呑みこんだ。
グラスの向こうでリヴァイ兵長と目があった気がした。