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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第143章 ◇第百四十二話◇すくうために許し合えたら【女型の巨人編】


久しぶりなわけではないのに、最後にベッドで身体を重ねて眠ったのが遠い昔のように思えた。
隣にいるのに、心だけが遠く離れた私とリヴァイ兵長はもういない。
まだ汗ばむ身体で、私はリヴァイ兵長に抱き着く。
そうすると、私の枕になっていた細いのに痛いくらいに硬い筋肉質な腕が優しく髪を撫でた。

「喧嘩の延長とは違ぇが、蒸し返すようなことを言っていいか。」

不意に、真剣な調子で話し出したそれに、私は首を傾げた。
不安にはならなかったのは、身体を重ねた後の興奮がまだ頭に残っていたのと、愛されている自信を貰えたお陰だと思う。

「いいですよ。」
「俺は一生、結婚はしてやれねぇと思う。
 いつ死ぬか分からん男が、の未来を縛るべきじゃねぇと思うからだ。
 俺が死んだ後、が1人になることは避けてぇ。」
「…リヴァイ兵長が好きなようにしてください。
 これは、聞き分けのいいフリじゃないです。リヴァイ兵長が私のことを思って
 そうやって結論を出したのなら、私はそれを受け入れたいから。」

言い終わる頃、リヴァイ兵長が私の肩を押して、ベッドに仰向けに寝かせた。
私の身体を愛したときみたいに、馬乗りになったリヴァイ兵長は、熱を帯びた瞳で私を見下ろしていた。
それがとても色っぽくて、野性的で、私の心臓は飽きもせずに高鳴る。

「だが、俺が生きてる間は、は俺のもんだ。誰にも渡さねぇ。
 俺がといてぇから、俺の今に縛り付ける。の幸せとか不幸とかは知らん。
 その代わり、俺の一生はにくれてやる。俺の命は、のもんだ。」

この世界に、こんなに情熱的なプロポーズを受けた女性がいただろうか。
ふと、そんな思いが頭を過った。
私の涙の意味を、リヴァイ兵長が理解したのかも分からない。
でも、頬を拭う指は優しかった。

「じゃあ、私が死ぬまで絶対に死なないでくださいね。
 私の命も、一生も、リヴァイ兵長のものだから。」
「あぁ、約束しよう。」

私が瞳を閉じれば、愛を囁く唇が私の唇に重なる。
これが、残酷な世界で、死と隣り合わせの日々の中で、すれ違いながらも、許し合って優しい未来を歩むことを決意した私達の、誓いのキスだったー。
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