【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第134章 ◇第百三十三話◇伏せられた作戦と女型の涙【女型の巨人編】
荷馬車護衛班は巨大樹の森の中に入った。
エルヴィン団長の指示だった。
意味は分からないものの、ハンジさん達の様子からこれが計画されているものだということだけは理解していた私は、その指示におとなしく従うしかなかった。
「どういうことですか?私達はここで、何を待っているんですか?」
私は、ハンジさんの指示で巨大樹の枝の上にいた。
巨大樹の森に入るように指示を受けた調査兵達は、ほとんどそうしていて、彼らのそばには、見覚えのある巨人捕獲兵器が設置してある。
前回の壁外任務のとき、ミケ分隊長達が修理や設置をしていたのは、拠点ではなくてこの巨人捕獲兵器だったそうだ。
だから、あの頃から、こういう事態を想定していたということなのだろう。
さらには、多額の投資を受けて秘密裏に開発したという新兵器も至るところに設置してあった。
私がさっきまで荷馬車だと思っていたのがそれだ。
対特定目標拘束兵器ー。
特定の巨人を捕まえるための道具だということは教えてもらった。
でも、特定の巨人が何なのかー。
キィィィィィイイイイインー!。
急に耳をつんざくような大きな音が響いた。
「…ッ!?」
思わず耳を塞ぐ。
驚いたのと、耳が痛いくらいの音に目がチカチカする。
今のはたぶん音響弾だ。
すぐ近くから聞こえた。
何が起きているのかー。
リヴァイ兵長は、エルド達は、無事なのだろうか。
あの悪夢が蘇ってきて、不安に襲われる。
「さぁ、いよいよだ…!」
ハンジさんが、ジリリと口元を上げた。
モブリットさん達も、固唾をのんでその時を待っているようだった。
状況を理解していない私も、無意識に手に力が入る。
そして、その時は突然訪れたー。