【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第130章 ◇第百二十九話◇会いたくない【女型の巨人】
両目を隠す私の手を、リコさんの手が握った。
小さな手は、意外とかたくて、必死に訓練を積んで生きようとしているリコさんらしいと思った。
「でも、私が悪いんです。私がきっと、無理させちゃったから…。」
「何があったかは知らないけどさ、男と女の間にあることで
どっちかだけが悪いなんてないんじゃないの?」
「そうなんですかねぇ…。」
「そうだよ。」
「でも、やっぱり、もっとどうにか出来なかったのかなって
自分を責めちゃいます。」
「まぁ…、そうかもね。」
「会いたいなぁ~…。」
「帰れば。」
「会いたくないんですもん。」
「ジレンマだね。」
「今日、リコさんのところに泊っていいですか。」
「死ぬほど拒否。」
「一泊だけ。」
「アンタの班長からもちゃんと帰すように言われてんのよ。」
「じゃあ、リコさんが私の部屋にお泊りしませんか?」
「ダメ。ちゃんと話してきなさい。
話し合えば分かるって、アンタの班長も言ってたから。」
「…何が、分かるんだろう。私たちがもう、終わっちゃったってこと…?」
唇を噛んだ。
両手で隠れているから、もう滲む海すら見えない。
あぁ、会いたい。
会いたくないー。
終わりたく、ないー。