【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第118章 ◇第百十七話◇いつか地平線を眺めるなら【女型の巨人編】
凄く不思議だけれど、リヴァイ兵長に出来ないことなんてないって、信じているのだと思う。
それこそ、この世界を救うのは、リヴァイ兵長だと確信している。
私は、そんなリヴァイ兵長を、ほんの少しでも支えられる存在になりたい。
兵士としても、恋人としてもー。
「あれは、夢じゃないと思うんです。
私はいつかきっと、リヴァイ兵長と地平線の向こうまで続く
綺麗な海を一緒に見るんです。いつか、きっと。」
「あぁ、そうだな。必ず、一緒に見よう。」
リヴァイ兵長が、私の手を強く握る。
ほら、やっぱり、この手だ。
暗闇から私を救って、美しい世界に導いてくれる優しくて強い手。
一緒に、地平線を眺めていたのは、リヴァイ兵長だったんだ。
「約束ですよ。私、リヴァイ兵長が地平線を眺めるとき、隣にいたいです。」
「あぁ、約束する。必ず、俺がお前を守って、連れてってやる。」
「ありがとうございます。」
リヴァイ兵長はきっと、本当に私を守ってくれるのだろう。
何と言っても、世界で一番強くて、とても深い愛をくれる人だから。
でもー。
「私にも、リヴァイ兵長のこと守らせてくださいね。」
「無茶しねぇ程度にならな。」
リヴァイ兵長がクシャリと私の髪を撫でる。
調査兵団に入団して、調査兵として公に心臓を捧げることを誓って、ただがむしゃらに壁の外を目指してきた。
夢なんて、なかった。
私はただ、大切な人達の隣に立っていたかっただけー。
でも今、漸く、私にも、壁の外で戦う理由が、夢が出来た。
それが、きっと私をこれからもっともっと強くする。
リヴァイ兵長はいつも、こうやって私に、いろんなものを与えてくれる。
「リヴァイ兵長の隣で見る青い海は、きっとすごく綺麗なんでしょうね。」
海に夢を馳せる私をリヴァイ兵長が優しく見つめる。
そんな私達を、カーテンの隙間から差す眩しい光が包み込む。
いつか地平線を眺めるなら、貴方の隣でー。
窓の外の景色は、いつの間にか、白と青が混ざって明るくなり始めていた。