【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第108章 ◇第百七話◇霧と雨が阻む帰り道【恋の行方編】
『、生きてー!』
ルルの最期の声が、リヴァイ兵長の声と重なって、私の耳に届いた。
見開いた私の瞳に、痛いくらいの雨が叩きつけ、ちゃんと前を向けと叱りつける。
拳を握った。
何を、勝手に諦めようとしているのか。
私は約束したじゃないか。
絶対に生きて帰ると、約束した。
世界で一番愛している人に、そう約束したじゃないか。
もう二度と、リヴァイ兵長を独りにはしない。
地獄には落とさないと、誓ったじゃないか。
最後の力を振り絞って立ち上がった。
人はいつか死ぬ。必ず死ぬ。
それは、この世界に生きとし生きるものがすべて、避けては通れない運命だ。
でも少なくとも、私の最期は、ここじゃない。
絶対に、違うー。
白い霧の向こうで、生きようとする私を、大きな顔が嘲笑っていた。