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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第14章 ◇第十三話◇紅茶【調査兵団入団編】


早く帰りたいとか文句のひとつでも言われるかと思ったが、つまらなそうに店内を歩き回りだしてくれたので、私も意外と広い店内の中をくまなく捜索し始める。
初めてくるお店は、なんだか宝探しみたいですごく楽しい。
アンティークな家具や装飾品に囲まれているこんな素敵なお店なら尚更だ。
少しすると店内を見回るのも飽きたらしいリヴァイ兵長は、店主と世間話を始めたようだった。

「紅茶やコーヒーが好きなのかい?」

店主が、突然私に話しかけてきた。
隣に立つリヴァイ兵長の目が、もう帰るぞ、と言っているから華麗にスルーしておいた。

「コーヒーは苦手なんですけど、紅茶は好きです。」
「へぇ、リヴァイと同じだな。」
「そうなんですか?」
「…てめぇには関係ねぇ。」
「つれねぇ男だなぁ。だから、モテねぇんだぞ。」
「うるせぇ。モテたことくらい…あるさ。」

絶対にないやつだったが、私も店主も敢えて何も言わなかった。
目を合わせて、吹き出しそうになる笑いを堪えはしたが。
リヴァイ兵長にうなじを削がれてしまいそうだったから。

「新しく出来た美人なお客様のために
 ひとつ好きなものをプレゼントしてやるよ。」

気になった紅茶の葉いくつかとお洒落なコースターを選んでお会計をしてもらっていると、店主がとても嬉しいことを言ってくれた。
でも、好きなものをと言われても、気になる紅茶は今ここにあるものがすべてだし、本当は欲しかった可愛いティーカップは高過ぎて、おまけしてもらうのはさすがに気が引ける。
それに、もう店の外に出て、早くしろとプレッシャーをかけてくる人類最強の兵士を待たせるわけにはいかない。

「あの―。」

私の言葉に店主は驚いた顔をした後、なんだかとても楽しそうにプレゼントを用意してくれた。


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