【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第103章 ◇第百二話◇夜の逢瀬を【恋の行方編】
気持ちが通じ合ってから、唇を重ねることは何度もあったけれど、いつも触れるだけのキス止まりだった。
リヴァイ兵長の身体が元に戻るまでは、その先はダメだと私が釘を刺したせいだと思う。
でも、今のリヴァイ兵長は、キスの先を求めているというよりも、まるで、会えなかった時間を必死に埋めようとしているみたいだった。
私と同じように会いたかったんだと流し込まれてくる気持ちを、私は必死に受け止める。
でも、さすがに息が苦しくなって、リヴァイ兵長のキスが私の心も身体もこのまま溶かしていくようでー。
「は、ん…っ。」
お互いの重なる唇の隙間から、無意識に声が漏れる。
すぐにリヴァイ兵長の動きが止まって、だらしない声を聞かれてしまったと恥ずかしくなる。
それからすぐ、そっと、唇が離れて、そしてー。
「仕方ねぇ。お前がそこまで言うなら、ベッドにー。」
「言ってませんっ。ダメですっ。」
恥ずかしさとかいろんな感情で少しきつめに断ってしまうと、リヴァイ兵長がつまらなそうに舌打ちをした。
そんなに、怒らないでー。
「私だって、したくないわけじゃないですー。」
リヴァイ兵長の腰に抱き着いて、恥ずかしさで染まる頬を隠すために胸に顔を埋めた。
一瞬、息を呑むような音がしたのは、私の大胆な発言に驚いたからだろうか。
あぁ、本当に、恥ずかしい。
早くひとつになりたいと身体がウズウズしているなんてー。
「顔を見せろ。」
リヴァイ兵長の両手が私の頬を包んで、強引に顔を上げる。
目が合うと、意地悪く口元が歪んだ。
「顔が赤ぇ。」
「うるさいです。」
恥ずかしいくらいに真っ赤な顔で、それでも強気に口を尖らせる私に、リヴァイ兵長は今度こそ軽いキスをひとつ落とした。