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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第95章 ◇第九十四話◇幸せな一日の、最初の日【恋の行方編】


昼食を片付けて宿舎に戻る途中、ジャンに会った。
午後からは座学の授業なのか、ノートとペンケースを片手に持っている。
目が合って、なんとなく気まずい気持ちになりながらも、どちらからともなく、近くのベンチで話すことを望んだ。

「昨日は、私のために怒ってくれてありがとうね。」
「あ、いえ。あれはどう考えても言いがかりっすから。
 さんは、何も悪くねぇのに。」

昨日のジーニー達に対する怒りが蘇ってきたのか、ジャンは苛立った様子で足元の小石を睨みつけた。
さんは何も悪くないー、そう信じているジャンの気持ちに胸が痛んだ。
あの事件を起こしたのは、ルーカスで、ルーカスにそうさせたのは私。
ジーニー達の怒りは、真相を知らないにしても、あながち間違ってはいないのだ。

「どうかしました?」
「え?あ、ううん、なんでもないの。」

慌てて笑顔で誤魔化して、首を横に振る。
ジャンとこうしてちゃんと話すのは、あの雨の日に告白されて以来だった。
何を話せばいいのか、ジャンも分からないようで、それから少し、気まずい沈黙が流れた。
先に口を開いたのは、ジャンだった。

「リヴァイ兵長とうまくいってるみたいっすね。」
「え…っ。私、また変な顔してたっ!?」

慌てて、私は自分の頬を両手で押さえる。
また頬が緩んで、だらしない顔をしていたのだろうか。
ちゃんと話そうとしているときに、情けない。恥ずかしい。
そんな私を見て、ジャンが困ったような笑みを浮かべる。

「はい、さっきもすげぇ幸せそうな顔でスキップしてたんで。」
「うそっ!?」
「嘘です。」
「もう、やめてよ~。」

前のめりに倒れて両手で顔を隠す私を、ジャンはやっぱり可笑しそうに笑った。
そしてー。

「リヴァイ兵長が、さんを命懸けで守って帰ってきた姿を見たとき、
 俺は完敗どころか、勝負にもなってなかったんだなって、やっと気づきました。
 昨日のリヴァイ兵長もカッコよかったですし。」

ジャンは少し悲しそうに、でも、どこか清々しそうに言う。
そして、立ち上がるとー。

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