【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第63章 ◇第六十二話◇夜明け前の事件【恋の行方編】
犯人探しが始まった巨人研究所は、あっちからこっちから怒号が飛び交い、まるで蜂の巣をつついたような大騒ぎになっていた。
その騒ぎの中央では、を犯人だと決めつけるジーニー派とが犯人だとは信じない派が、喧嘩腰の言い合いを続けている。
「がどんな思いでこの巨人の実験に参加してたか、アンタらは分かんないわけっ!?」
「知らないわよっ!!親友見捨てて逃げたくせに、悲劇のヒロインぶって
兵団マントに勝手に変なものつけるような女の考えなんてっ!?」
「はァッ!!てめぇッ!!変なもんってなんだっ!!
さんとルルさんに謝れっ!クソ女っ!!
さんのことそんな風に言うのは許さねぇからなッ!!」
「うっさいわねっ!新兵は黙ってなさいよっ!!」
「そうよっ!!」
「大切な親友の紋章つけたマントで、親友が命懸けで捕まえた巨人を殺すわけないじゃんっ!!
それに、どうして被験体を殺さなきゃいけないわけ!?」
「どうせ、今度の壁外任務に行くのが嫌だったんでしょ!!
被験体がいなくなれば実験も中止になるから、壁外任務もなくなると思ったんでしょ!!」
「そんなわけないでしょっ!!は壁外任務のために必死に訓練してたんだから!!」
血気盛んなジャンも混ざってはいるが、ほとんど女同士の言い争いは、今にも髪を掴んでの取っ組み合いに発展しそうで怖い。
ブルブルッと震えたアルミンの肩を守るように、ミカサの手がそっと触れた。
「とにかく、私は見たのよっ!!のそのマントが逃げていくのをねっ!!
目撃者がいるんだから、あの女が犯人で決まりでしょうっ!!」
ジーニーが、を指さして叫んだ。
全員の視線が、の背中に向いた。