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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第59章 ◇第五十八話◇眠り姫と不器用な王子様【恋の行方編】


素直に安心すればいいのに、彼はー。

「死んでも気が向かねぇと伝えておけ。」

不機嫌に眉を歪めて、捨て台詞のように吐いて、リヴァイはを抱えて兵舎へと戻っていく。
でも、その後ろ姿が、なぜかすごく安心するのだ。
久しぶりに、リヴァイとが一緒にいるのを見たからだろうか。
それとも、リヴァイの後ろ姿が、ようやく彼らしく見えたからか。

「ねぇ、やっぱり、リヴァイってのこと嫌いになってないよね?」

ハンジが、リヴァイの後ろ姿を見送りながらしきりに首を傾げていた。

「嫌いって?」

何の話だろう、とナナバが訊ねるが、ハンジは不思議そうに首を傾げて頭を回転させているようで反応がない。
その代わりに答えてくれたのは、ハンジの右腕、モブリットだった。

「リヴァイ兵長の様子がおかしいことをに言ったら、
 自分が嫌われただけだって答えたらしいよ。」
「嫌われたってが言ったの?」
「そうみたいだよ。誰もそんなの信じないよね。」
「…君の分隊長以外はね。」

いろいろと不憫になって、ナナバはモブリットの肩に手を乗せた。
その隣で、ハンジはまだ首を傾げて、どういうことかを考えているようだった。
ハンジは頭は良い。すごく。頭脳明晰ではあるけれど、笑いも出ないくらいに鈍感だ。
きっと、今必死に頭を回転させているそれの答えも、モブリットの気持ちも、一生分からないままなのだろう。

「幸あれ。」

モブリットにそれだけ告げて、ナナバも兵舎へと帰った。
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