【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第49章 ◇第四十八話◇ポジティブシンキング【恋の行方編】
壁外調査の報告書の提出先は、所属班の班長となっていた。
巨人化したエレンによる巨人捕獲作戦に参加した私は、ハンジ班だ。だから、ハンジさんで問題ないと思っていたのだがー。
「は今回はリヴァイと同じ配置だったから、
リヴァイ班の報告書と一緒にまとめることになってるんだよ。
言うのを忘れてたね、ごめんごめん。」
「そういうことですか。じゃあ、今からリヴァイ兵長に提出してきます。」
「あー、いいよ。私が持っていくよ。」
提出先が変わったことを伝えるのを失念していたお詫びだからというハンジさんの申し出を断って、私は書類を受け取った。
もともと、ハンジさんに書類を提出し終わったら、リヴァイ兵長のところへ行こうと思っていたのだ。
「書類はあとどれくらい残ってるの?」
「これをリヴァイ兵長に提出したら、休暇を楽しもうと思ってますっ。」
ニッと笑う私に、訊ねたモブリットさんもハンジさんと一緒になって、目を丸くした。
私が抱えていた書類の量を彼も知っていたようだ。
そして、まだまだ終わらないと思っていたらしい。
休暇を楽しみたいという気合があれば、何だって出来るのだ。
ペトラのおかげだけれどー。
「それで、ハンジさんにお願いがあるんですけど。」
「ん?何かな?無理難題じゃなければ、
頑張ってくれたのお願いを聞いてあげたいところだけど。」
「明日、ストヘス区に行ってもいいですか?」
「あぁ…!憲兵団に会いたい子がいるんだったね。それは全然大丈夫だよ。
馬車は用意した方がいい?」
「テュランと行こうかなって思ってたんですけど、ダメですか?」
「んー、心配だな。誰かと一緒に行ってくれた方が安心なんだけど、
今、手が空いてるのがいないんだよなぁ…。」
腕を組んで首をひねるハンジさんは、モブリットさんに誰か付き添いが出来そうな人はいないか訊ねる。
だが、分隊に所属する全ての兵士のスケジュールを把握するモブリットさんに首を横に振られてしまう。
今、ハンジさんの分隊は、壁外調査で捕獲した巨人の実験で忙しい。私も休暇が終わったら、その実験に参加することが決まっている。
「それじゃ、運行便の馬車で行きます。テュランはまたの機会ってことで。」
「そうだね、それがいいっ!」
帰りは遅くならないようにと念を押され、私はハンジさんと別れた。