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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第47章 ◇第四十六話◇おかえり【調査兵団入団編】


「おれを見ろ。」

不意に開かれる視界は、満天の星空とリヴァイ兵長の端正な顔を映した。
私の両手首をつかんで、地面に押し付けて、私をまっすぐに射貫く切れ長の瞳に、私は言葉を飲み込んだ。

「おい、いいか。冷静に考えれば分かることだ。
 おれもアイツの声は聞いてる。」
「あ…。」
「おれとお前が聞いたアイツの声が同じなら、
 あとはどう捉えるかだと思うが、アイツの性格からして
 おれは間違っているとは思わねぇ。」
「…リヴァイ兵長には、何て、聞こえたんですか…?」

恐る恐る、私はリヴァイ兵長に訊ねた。
言葉を発する前に吸った息にすら、私は怯える。
怖い。リヴァイ兵長には、最期のルルの声がどう聞こえていたのか知るのが、怖い。

「、生きて。」

リヴァイ兵長の綺麗な瞳が、私を見下ろす。

「え…?」
「アイツは、最期の最後までお前が生きることを願ってたんじゃねーのか。
 少なくともおれには、そう聞こえた。」
「…っ。」

想像もしていなかった、あの声に続くのがそんな悲しいくらいに優しい言葉なんてー。
必死に堪えていた涙は、それを隠す両手さえもリヴァイ兵長に奪われて、あとからあとから瞳から溢れ出した。
あのとき、ルルは、本当は何と言おうとしていたの。

『、生きて!』

私の耳にこびりついていたルルの声が、リヴァイ兵長の声と重なって新しい音を作る。
ルルは私に生きてほしいと、そう願ったのだと、思ってもいいのー。

「リヴァ、イ、兵長…っ。」
「なんだ。」
「私、死なない…っ!最後まで…っ、悔いが残らないと言えるまで…!
 生きます…!ルルみたいに、強く…っ!最後まで、強く…!」
「あぁ、いい心がけだ。」

フッとリヴァイ兵長が笑った、そんな気がした。

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