【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第46章 ◇第四十五話◇ただいま【調査兵団入団編】
広い玄関ホールを抜ける前に、私の足は動きを止めた。
母と話しているのは、ハンジさんのようだった。
ハンジさんの隣にはもう一人いたのだけれど、自分の目が映したものを、私はどうしても信じられなかった。
でも、黒髪を白く光らせる太陽の光が作った影が、そこにいるのは幻ではないのだと教えてくれる。
それでも信じられずに立ち尽くしていると、母の背中越しに、目が合った。
挑むように見つめる三白眼が私から視線を離してくれないから、止まりそうになった心臓が、ドクンドクンと五月蠅いくらい騒ぎ出す。
「あ!!!」
ハンジさんが嬉しそうな顔をして右手を上げた。
ワンテンポ遅れて、後ろを振り返った母は、私を見てため息を吐いた。
「わざわざ、リヴァイさんがを迎えに来てくださったのよ。」
「リヴァイ兵長が…?」
母は、リヴァイ兵長とハンジさんに「御足労をおかけして」とかなんとか言って頭を下げている。
わざわざ迎えに来たーということについては、申し訳なくおもっている様子の母だったが、ここにリヴァイ兵長達が来たことについては特に驚いてもいないようだった。
私は死ぬほど驚いているというのにー。