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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第36章 ◇第三十五話◇無情にも届かない手【調査兵団入団編】


「ルルを離せぇぇぇえッ!!」

私は超硬質スチールを両手に持って、飛び降りた。
立体起動装置が壊れているからー、なんて言い訳している間にルルが食べられてしまう。
必死だった。
幸い、ルルを咥えている巨人の目は、ルル自身が切ってくれている。
私の姿が見えているのは3体だけ。
その巨人がルルの元へ辿り着くまでに、助け出す。必ずー!

「その汚い口を離せッ!!」

ルルを咥えている巨人の額に飛び降りた私は、その口の端を超硬質スチールで切り裂いた。
顎の筋肉を切られて口が開き、ルルの身体が自由になる。
だが、足の骨が折れてしまったのか自力では出られないようだった。

「ルルッ!すぐ出してあげるからっ!」

必死にルルの身体を引っ張り上げようとするのだが、目を切られ、口まで切られた巨人が暴れてなかなかうまく行かない。

「私を置いて逃げてっ!巨人が来てるっ!」

ルルが私の後ろを向いて叫んだ。
振り返る余裕もなければ、息遣いで巨人が近づいてきていることなんてとっくに気づいていた。

「だから早く逃げよう、一緒にっ!」
「お願い、逃げてっ!」

巨人の傷はすぐに塞がる。
早くしないと、巨人の目が見えてしまう。口の傷も塞がれば、またルルがー。

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