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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第20章 ◇第十九話◇対照的な彼と彼女の秘密【調査兵団入団編】


朝食時。
寝起きから元気のいい兵士達が集まった食堂の騒がしさは、二日酔いの頭にはキツい。
一応、トレイにはパンとスープが乗せてあるが、手をつけたいとは思えない。
今朝、ハンジさんから、今日の訓練は中止になったと言われた。
ナナバさんが謎の身体の痛みに襲われ、ゲルガーさんは二日酔いで吐き続けているらしい。
ゲルガーさんほどではないにしても、二日酔いで頭が痛い私としては、今日の訓練中止はとても有難い。
ということで、今日はハンジさんのお使いを任されることになった。

「おはよぅ…。」

覇気のない掠れ声が聞こえて隣を見れば、顔色の悪いペトラが席に腰を下ろそうとしているところだった。
その向こうでは、オルオが似たような青い顔をしてテーブルに突っ伏していた。
二日酔いなのは、みんな同じのようだ。

「おはよう、ペトラ。」
「モブリットさんに聞いたよ。
 昨日は、部屋まで送ってもらったみたいで…、ありがとう。
 今度、お礼させて。」

二日酔いでツラい身体で、それでも礼を伝えるために隣に来てくれたらしい。
こんなに優しい女性の恋人があの巨人よりも恐ろしいリヴァイ兵長だなんて―。
そんなことを考えてしまって、ついでに今朝の失態を思い出して最低な気分になった。

「ねぇ、ペトラってリヴァイ兵長の―。」

どこが好きなの?と聞こうとして、口をつぐむ。
今まで、リヴァイ兵長とペトラの恋人らしい姿は見たことがない。
ハンジさんあたりは、2人が恋人だと知っていたらからかったりしていそうだが、そんなところも見たことがない。
もしかして、2人は恋人同士であることを秘密にしているのだろうか。
2人の仲が公になれば、どうなるかは容易く想像がつく。
リヴァイ兵長は意外とモテるし、可愛らしい上に実力まであるペトラももちろんモテる。
嫉妬する兵士達も大勢出てくるだろう。
それに、ペトラがリヴァイ班に選ばれたことを邪な気持ちで悪く言う兵士も出てくるかもしれない。
だから、こっそり付き合っているのだとしたら、私がここでそれを口にするのは間違いだ―。

「兵長がどうかした?」
「え?あ、ううん、なんでもないの。」
「そう?あーーー…頭が割れそう…。」

二日酔いのペトラは私の言葉を気にする余裕はないようで、助かった。
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