【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第160章 ◇第百五十九話◇運命の日が、始まる【運命の決戦編】
誰かが大きな声でハンジさんの名前を呼んだ。
それを合図にするみたいに、住人達が調査兵達に激励を飛ばしてくる。
ウォール・マリア奪還の成功を願う声の中に、調査兵達の無事の帰還を願う声も幾つも飛んでいた。
領土の奪還も、無事の帰還もー、なんて、私達調査兵は口が裂けても言えなかったのにー。
「勝手を言いやがる。」
眉を顰めるリヴァイ兵長の目はとても優しかった。
今日が決行日だとバレたのは、どうやらリーブス商会からのようだった。
昨日、リーブス商会からお肉を取り寄せたことで、気づいてしまったのだろうということだった。
まぁ、どっちだっていい。
こんなにも私達調査兵の気持ちを高めてくれる、見送りはきっとないだろうから。
「任せろおおおおおおおおおお!!!」
調子に乗ったジャンとサシャ、コニーが、両手を上げて叫んでいる。
ハンジさん達はとても呆れていたけれど、彼らの気持ちがよくわかる。
だって、エルヴィン団長ですらも左腕を大きく上げて、叫んだくらいだからー。
「ウォール・マリア奪還作戦ー!!開始!!」
エルヴィン団長の号令で、馬と調査兵を乗せたリフトが壁外へ降りていく。
いよいよだー。
人類と巨人達、どちらが生き残るかをかけた戦いがー。
あぁ、でも出来ればー。
「生きて帰ろう。」
リヴァイ兵長が私の手を握った。
私は頷く。
本当に、みんなが生きて帰れたらいいって、思っている。
みんながー。