【金城剛士】超感でぃすてにー【B-project】
第1章 春
「………」
声が聞こえる。明るい。朝?
残業中に眠ってしまったのかな…
目を覚ますとそこは河川敷沿いの、歩道のど真ん中だった。
「おい。大丈夫か?」
こちらを覗き込んでいたのは、美しく光る赤い瞳の、黒髪男子だった。
「…え?わたし……」
そういえば、結婚を前提にお付き合いを申し込まれていたはずじゃ。
「混乱されているようですね。救急車呼びましょうか?」
もう1人の、銀髪で背の高い男の子が言った。
わたし、夢を見てるのかな?2人ともなんだかキラキラしているし。
「あの、ご迷惑かけてすみませんでした。わたしはこのとおり元気なので、大丈夫です。ありがとうございました。」
「そーか。じゃあな。」
「お気をつけて。」
言葉を交わして2人の少年と別れた。
わたし、疲れたのかな。あの告白も夢かな。てかここどこかな。
辺りを見渡すと、見覚えのある場所であることに気がついた。
ここ、オフィスの近くだ。でも、最近建てられたシンボルの商業ビルがない。あれ?気づけば、似ているようで、色んな箇所が全然違う。1発でここがどこかわからなかったわけだ。
慌てて、新聞を読みながら釣りをしている知らないおじさんの手から「貸してください!」って新聞を奪い取った。
「2009年……」
私がいた時代は、2019年。
過去に飛んできてしまったらしい。
結構大規模な夢だなぁ。
頬をつねると痛い。
あれ?現実?