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〈H×H 長編〉暗殺一家の嫁

第78章 依頼人/裏


「や、見ないで…っ!」


リネルは 日頃の余裕ぶった顔の面影もないくらい焦った表情をする。潤う秘部に指を近付け ぬるりと暖かい花弁を開いてみた。


「傷になってるね、ココ。リオンが産まれた時か」

「っ、触らない、で…」

「見るだけで済むと思ってるの?」

「…だって…」

「いい加減抵抗するのやめてよ」


愛液の流れる入り口付近に残る小さな傷を 指の腹でつっと撫でてみる。人間一人がこの狭い場所から出て来たのだから物理的に耐えかねるのも当然で あの日のリネルの痛がりようを頭の隅に思い出した。

しかしそんな場所に指を滑らせていながら今更この行為を緩められる訳もない、すんなり伸びる指を秘部の中に押し進めようとした。


「イル……やぁ ダメ……」

「もう止めれないよ今更。今夜はこのまま抱くよ リネルのこと」

「っ……だって……ソコは」


性行為中には見たことのない恐怖を匂わせる表情が目にとまる。傷みは簡単に人間を支配するし そう言えば産後初の行為なので怯えがあるのだろうかと予想した。


「怖いの?」


一旦手を止め リネルの耳元に顔を寄せる。あやすように 耳朶に向かい囁いてみる。


「もう傷は塞がってるよ」

「でも、……」

「力抜いてよ。リネルの中触りたい」


そのまま指を侵入させる、リネルは身体を緊張させたまま ぎゅっと目を閉じていた。


「…っ、ひ」

「きついね 人間が出て来たとは思えないな。そういえば膣って筋肉なんだっけ」


一通り鍛え直してはいるし 傷も体力の回復も早いリネルである、体の一部であるこの中も同等なのだろう。
締まる肉壁にそっと指をスライドさせる。リネルの口からはいよいよ本格的に 喘ぐ声が漏れ出した。


「ぁ、んあっ、…あ」

「気持ちいいの?」

「……わかん、ない」


都合の悪い時、本心を隠す時、わからないはリネルの常套句である。
欲をぶつけ合う行為中くらいは従順に自身を求めさせたくなるのがこちら側の本心で、ゆるゆると誘うように抜き差しを繰り返した。生温いリネルの体液が包むように指を湿らせてゆく。


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