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鬼滅の情慾・裏短編集

第1章 欲情のケダモノ【善逸・学パロ】



 木の葉は舞い、空気は澄み、日が落ちるのが早くなる季節。下校時刻間近の美術教室の窓からは、柔らかい橙色の光が差していた。
いつもならとうに塾へ行っている時間だが、ある罰のためにまだここにいる。早く帰るためにも、私は黙々と手を動かし美術室の床の掃除を続けている。ただ、それを遮るものが側にいるのだ。

「うわあああああああんなんで俺が怒られなきゃいけないんだよおおおおおオオオンねぇれいちゃああああああんッッッッッ!!!」

 泣きながら片付けをしているので、手が遅いように見える。この人の乱れっぷりにはほとほと困る。そのせいで今こんなことになっているのだから。

 時は5、6限目まで遡る。美術、つまり宇髄先生の授業だった。席順で私はこの我妻君とお互いを描いていたのだけれど、女子であれば誰でも意識をしてしまう彼はもちろん作業が順調に進むことはなく、その頭お花畑さについに宇髄先生がブチぎれたのだ。拳骨で済まされればいいものの、彼は教室中を逃げ回りそれを追いかける宇髄先生と一緒に、そこらの備品や使っている絵の具をぶちまかしていった。結局授業終了間際に彼は捕まりボカスカ殴られていたが、なんととばっちりが私にもきた。

「おい!神坂!ペアの責任としてこいつと教室の片付けしとけ!こいつを絶対に逃すなよ」

 なぜ私が、という言葉はひとまず飲み込み、泣き叫ぶ我妻君と掃除をすることになったのだ。


「まぁね!?女の子と、しかもれいちゃんと一緒に居られるのは嬉しいけどね!!??あんのクソ宇髄が暴力教師だからこんなことになってるんだよオオオオ!!!」

ギャアアンとたんこぶをつけて泣き叫ぶ彼を尻目に、仕上げで床を拭くためにバケツに水を組む。

彼はこの騒々しいところがなければ、お望み通り女子にモテるかもしれないのに、

と思いながら一歩踏み出すと、まだ床に落ちていた紙を踏んづけてしまった。気付いた時には遅く、ぐるりと視界が反転する。天井が見える。そして抱えていたバケツが……。


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