第3章 今日も夜が来る/小話集め
1.大きなソファ/イルミ
「最低でも2、3人はゆったり座れるサイズのが欲しいんだよね」
こんな感じに、と背もたれに深く寄り掛かり イルミさんは足を組み替える。
大きなソファが欲しいなんて 私生活にはやはり本命彼女がいるんだろうか?
別に驚く事ではないけれど 何というか、複雑さはある。
「この店の控え室さ パイプ椅子しかないの。最悪だよね」
「あ、…そういうこと」
「やっぱり仮眠出来るくらいのやつは必要だよね」
こんな感じに、とお次はこちらにもたれ掛かり 猫目をじっと向けてくる。
意外とおねだり上手みたいだ。