第14章 愛逢月の秘蜜ーその後の秘密ー * 政宗、家康
「私、まだ自分の気持ち…よく解らない。でもね…」
「……」
「政宗の事は、す…好きだよ。ごめん、今はそれしか言えなくて」
(美依……)
なんだよ、その答え。
やっぱり、熱に浮かされた時じゃなく、ちゃんと言われた方がいいな。
────心が、薄紅に染まる
『好き』と言われて、心が浮つく自分。
それは……甘酸っぱい初恋のような、そんな心地にさせられる。
「政宗"も"、じゃないよな?」
「え、何それ」
「何でもない。つまり、両想いって事でいいよな?」
「ま、まだはっきりとは……!」
「解ってる、でも好きなんだろ?なら……」
「っ……」
ちゅっ…と額に優しく口づければ、美依の頬がまた赤く染まった。
ああ……可愛いな、お前は。
そうやって純なのに、閨で乱れると色っぽいとか最強だろ。
今は、その"好き"の意味が解らなくていい。
でも…いつか必ず、もっと惚れさせてやる。
「"好き"の理由や意味を探せ。俺はお前がもっと好きになってくれるように愛していくだけだ。絶対にもっと惚れさせる、俺しか見えないくらいに…溺れさせてやるよ」
────それから、
俺と美依が恋仲になったのは、少し先の話
宣言通り、いつしか美依は俺しか見なくなり、愛してくれるようになった。
あの日の三人での行為。
俺は『気持ちはあった』と美依に告げた。
それは信じたようだが、どうやら美依は家康の事もどうだったのか、少し気になるらしい。
だが、俺はそれを教えてやる気はない。
家康がどうだっかは、すでに家康だけの秘密。
あいつは恋仲同士を邪魔するような、無粋な男ではない。
例えば他に別の世界とかあったなら、家康と結ばれている美依がいるのかもしれないが……
それは考えないことにしている。
俺ただ……こいつを愛し抜くだけだ。
秘密が暴かれる事は、きっと無い。
俺は愛しい者を守っていく、ただそれだけなのだから。
愛逢月の秘蜜ーその後の秘密ー
政宗ルート 了