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♡Happy Birthday dear Erwin ♡

第1章 Happy Birthday dear Erwin



車を運転しながら、助手席に座るエルヴィンがうたた寝するのを呼吸で感じる。なんだか不思議だった。無意識に顔が熱くなってしまう。

暫くして、自宅に到着し、まだ飛行機の匂いが残ったままのエルヴィンを揺り起こすと、腕を掴まれてキスをした。熱を含んだキスに思わず車で変な気を起こしてしまいかけたが、後部座席の子供が上げた、一瞬だけの泣き声で互いに我に返って止めた。

「……帰ろ」
「……ああ」

帰宅して、子供をベビーベッドに寝かせてリビングに向かう。エルヴィンは風呂に入る為にバスルームに向かった。

夜も更に深まり、あとは寝るだけ。
エルヴィンも風呂から上がってきて、ふと見れば髪が濡れたままだ。

「エルヴィン、髪」
「ん、ああ」

タオルをエルヴィンから取り、ソファーに座ったエルヴィンの頭をドライヤーで乾かし始めれば、「すまないな」と笑った。

「あっちではずっと仕事ばかりで、シャワーを浴びたらバスローブで頭もろくに乾かさずに仕事してた」
「ええ、風邪引いちゃうよ……大丈夫だったの?」
「基礎体温は高いから大丈夫」
「そういう問題じゃないよ……。エルヴィンは、“これ!”ってなったら自分のことなんて放ったらかしになりがちだから……心配してたんだよ。これからはちゃんと乾かしてね。はい、出来たよ」
「ありがとう、これで寒くない」

髪の隙間から覗く瞳。少しぎこちない笑顔を向けられる。駄目だ、久しぶりだから恥ずかしい。

すぐには視線を逸らしてタオルを洗濯機に入れて回す。乾燥機付きだから、朝起きたら乾燥した洗濯物を畳めばいい。

リビングに戻れば、エルヴィンがまたうたた寝をしている……訳でもなく、スマートフォンをいじっている。グラフなんかが度々見えるのは、仕事関係だろう。

「……エルヴィン、私もう寝れるけどどうする?」
「……ん、ああ」
「あっ、そうだ、お誕生日会は明日改めて……」

スマートフォンの画面を閉じ、立ち上がった。そのままに近付いて、腰に腕を回して引き寄せる。

「あ、ちょっと、エルヴィン」

エルヴィンがキスをして、首筋にもキスを落とす。まずい、このままでは……セックスしてしまう空気だ。

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