第1章 山田一郎 微裏
それを皮切りに激しく求め合う俺達
雨の音なんか耳に入ってこない
入ってくるのは名前ちゃんの甘い甘い脳が蕩けそうになっちまう様な啼き声と肌のぶつかる生々しい音、二人の吐息。
頭が真っ白になりそうな程の快感に俺は無我夢中で腰を振る、こんな姿まるでバカみたいだって思うけど、どうにも止まらねぇ
俺の下で乱れるコイツも、時々喧嘩して拗ねてるコイツも、とびきり可愛い顔で笑うコイツも、全部好き
『ぁ、ふ...、一郎すきっ、』
「俺も...ッ、好きだ名前ちゃん」
互いの体温を感じながら俺達は果てた
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『痛い....』
「悪かったって、機嫌直せよ」
床の上で容赦無く俺ががっついたもんだから背中が痛かったと刺々しく突き刺さる視線にどう機嫌を取ろうかと四苦八苦
難しい顔をする俺に名前ちゃんはふ、と笑顔になると頬に口付けた
『まぁ許してあげるよ、でも....今度からはベッドでね』
「っっ....、おう..」
あんまりにも可愛い顔して言うもんだから一言返事をするだけで精一杯だった
そんな俺を察してかくすくすと笑う彼女
あーもう、マジで好き。
バタバタと玄関で聞こえる足音と俺を呼ぶ声にも気付かない程俺はコイツに夢中だった
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