第5章 王都王宮
王子の離宮には部屋が6つ、風呂が2つ。
「好きな所を使え、と言っても困るだろうから、
そっちの風呂と部屋3つをやる。
明日、2つの部屋をひと続きにしてやる。
今日は狭い部屋だが、我慢してくれ」
と命令みたいな説明をし、エリアルに向き直す。
「女、お前は、俺の隣の部屋を使え……って
言葉が解らないから、駄目か」
ルシエトの早口に怯えたような、
不安そうな表情をエリアルはしている。
そんなエリアルの手を取ると、部屋の前まで連れて行く。
指差しで
「お前」
部屋に引き入れ
「ココを使え」
と言って、エリアルの為に市場で買った物を置く。
「じゃぁ、ゆっくり休めよ」
と言って、部屋を出た。