第10章 大人の真似はまだ早い
「……」
暗い部屋の中で、1人の女の人がパソコンを使って創作された小説を読んでいる。真っ黒な空間に、パソコンの眩しい光が無駄に明るく感じる。
「ふーん……これを書いているのは……きっと、彼らの中学校の同級生ね……まだ16歳のはずなのに、ませてるわね」
その女の人は妖艶に口角を上げる。
「モブキャラは出てくるし、援交ものだし……読む人を選ぶ内容ね。まあ、私は雑食だし裏物ならなんでもいいんだけど」
マウスでパソコンを操作しながら、小説を読み進めていく。
「この後、どうなって行くのか楽しみね……それとも、この曖昧なまま終わってしまうのかしら……」
女の人は唇に細く長い指を当てた。
「私なら、この後……爆豪くん目線のお話を書くんだけどな……」
女の人はとあるサイトを立ち上げ、慣れた手付きでパスワードを入力した。
「まあ、妄想する前に書いてしまった方が早いわね」
そう言うと、女の人はカタカタとパソコンで執筆を始めた。
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