第1章 初恋
初めて出会ったのは幼い時。
馬に乗り勇敢に壁外へ駆けていく姿は、幼いアキには胸が高鳴り目に焼き付いていた。
あとから聞けば調査兵団という組織の一人だということ。幼いながらに考え、どうしたら会えるのか。
『そうか!私も調査兵団に入ればいいんだ!』
幼いアキは安易に考え、周りの反対を押し切って訓練兵へ志願をするのだった。
それから幾度と季節が巡り、数年が経った。
無事に卒業したアキは式典で数年ぶりに初恋の相手…エルヴィンに会うことが出来た。
あの時見た彼は歳を重ねていても変わらない姿で、アキは気持ちが更に膨れあがる。
団長になっていたエルヴィンの試し脅すような勧誘を聞いてもアキの意志は変わらない。
『調査兵団へ入団します!!!』
エルヴィンの為、人類の為、アキは誰よりも声を上げ渾身の敬礼をした。
『見事な敬礼だ。君は誰よりも勇敢だな。名前を聞いておこう』
『アキと申します!』
『アキか。これから共に戦おう!』
エルヴィンからのまさかの握手を求められ、一瞬素に戻りそうだったがアキは敬礼をしたのちエルヴィンと握手を交わした。
エルヴィンの為に役に立とう。
アキはそのことを胸にこれからの兵団での生活に誓いを立てた。