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人類最強が見つけたクソガキ【進撃の巨人/リヴァイ】

第6章 卒団、そして入団



王の警護等も行う憲兵団とは違い、巨人相手の調査兵団では私の出生地も出身地もどうでも良いと言うことだろう。

ビリビリと目の前で身辺調査書を破いたキース教官は私にその紙屑を渡した。

「出生地を馬鹿正直に記入した貴様のせいでこの書類を作成する手間と時間を無駄にした。捨てておけ。」
「は!ありがとうございます!」


思わず謝罪ではなくお礼を言ってしまったのは、キース教官が身辺調査書を破り私に渡したことでこの書類が今後他の人間に見られることは無いと示してくれた気がしたからだ。
誰に見られても良いと言うほど自慢できる様な過去では無い。

訓練兵団に入る際に提出した書類には名前や生年月日等の個人情報を申告するものがあり、そこには出身地とあわせて出生地の記入欄もあった。
嫌なことを書かせるなぁとは思ったものの、そのときは深く考えず【虚偽申告の場合、いかなる場合でも入団の取消、及び罰則を課す】との記載もあったので教官の言う通り馬鹿正直に書いてしまったのだ。

出生地 地下街


私がシガンシナの市民権を獲得したのは超大型巨人がシガンシナの壁をぶっ壊したあの日の前日。
実際に住み始めたのはあの日の朝だった。

やっとあのクソみたいな場所から出られたのに、部屋の片付けが終わり飯でも食いにいこうと兄貴と外に出た瞬間、爆音と共に地獄が訪れた。

世界はどこまでも残酷なのだと思い知った。



「ーーーマクドル!アーニャ・マクドル!」
「!!は、はい!」

あの日の記憶がフラッシュバックしていたらしい。
鬼の形相のキース教官に頭を捕まれ我に返った。



「貴様の地獄はこれからだ!あの日の悪夢が子供の夢だと思えるほどの地獄へ進むことを貴様が選んだのだ!!」


そうだ。私が選んだ。
地獄への道を、私が選んだんだ。

だって戦わなければ、何も出来ずに死ぬ。
そんなのはまっぴら御免だ。


「怖じ気づいたか!」
「いいえ!!」
「では行ってこい!地獄へ!!心臓を捧げよ!!」
「はっ!!」


キース教官からの最後の渇に、ドンッと敬礼をして声を張る。
教官が厳しい顔のまま踵を返し教官室へ向かっていくその姿を見えなくなるまで敬礼のまま見送った。



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