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人類最強が見つけたクソガキ【進撃の巨人/リヴァイ】

第1章 特別講師とは?


まぁまだ髪も伸びていないし、私自身どう過ごしていいのか戸惑っているほどだから仕方がない。

私の髪は襟足にも届くか届かないかという位短く切り揃えられている。男として見ても短髪な方だ。
母親譲りのダークブラウンの髪は癖っ毛で、伸ばすとふわふわと弛いウェーブがかかる。
少ない記憶の中の母は実年齢よりも若く、可愛らしく見えていた気がするが152センチしかない小柄な私が男として生きる為には「可愛らしさ」なんて要素は間違ってもあってはならないため、短くカットしていた。
それでも柔らかい髪は整髪用の油でセットし出来る限り「男らしく」見えるように気を遣い、言葉遣いや所作もあえて荒くして生活していた。

そうして今まで男として生きてきたのだ、今更急に「女らしく」過ごせる訳がなかった。



「これでも女なんだ。だから女子棟に向かってる。」

問題あるか?と振り向いて続ければ男子勢はポカーンという効果音が聞こえそうなほど間抜けな顔をしていた。
一方主に私の前方にいた女子勢からは「問題ない!」という明るい声がいくつか聞こえ早く宿舎に行こうと急かされた。
あぁやっぱり女の子は頭の回転が早い。そしてこんな私でもいとも簡単に受け入れてくれる優しさがある。



同室になった子達と簡単な自己紹介をして各自使うベッドやクローゼットを決めたあと、兵服や教本を受け取る為に講習室や室内鍛練場等がある建物に行った際、入り口でキースと鉢合わせてしまった。

「…さっきは…その、なんつーか……て、てめぇが紛らわしい事してんのが悪いんじゃねーか!男だと思うだろ普通!チビ!!」

お前はチビしか言えないのかと思いつつ気まずそうな表情をみて、あぁもしかして謝罪するつもりだったのかと思い至り、思わず笑ってしまう。


「チビじゃない。アーニャ・マクドルだ。訳あって今まで男として生きてきた。詳しくは話さないが少し前に偽る必要がなくなって元の性で入団したんだ。まぁそもそも団体生活じゃ誤魔化しきれなかっただろうけどな。」


だから男同士のように接してくれて構わないし正直自分もそれが楽だと告げて右手を差し出せば、少し悩むような表情をみせた後ため息をつくように「キースだ」という短い言葉と共に同じく右手を差し出したキースにパチンと手をはじかれた。
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