第20章 ☆??ルート☆ Bad END
「っ……」
「あれから兄貴ばっかりゆりちゃん独占しちゃうだもん!
そりゃあオレだって面白くないし
一泡吹かせてやりたいなーって思ったわけ。
だから樹さんと距離詰めて樹さんがCIAの一員だって言う情報を掴んだ、
それをいい具合に利用できないかなーって思った矢先に北斗さんが
偶然にもオレに近づいてきた……北斗さんは、
この時点でオレが組織と関わりあるって勘付いてたからねぇ……」
「っ……まさか、このオレが宙くんに騙されていたなんてね……
しかも北斗と繋がってると来たか……」
樹は観念したかのように首を横に振った。
「オレはただ、もう一度三船くんと試合をしたかったし
ゆりちゃんのことだって本気だったから、
この状況ぶっ飛ばしたかっただけっすよ。
これ以上兄貴に振り回されんのはごめんだし?
……でもここまで状況が変わってるとねぇ、
どうしたもんかって感じだけどゆりちゃんのほうは
もう覚悟的なのが決まってるみたいだし?
オレはそれを見守る事にしようかなぁ……」
宙は穏やかな眼差しでゆりと憲吾のほうに目を向けた。
それが少しおかしいと感じた北斗はすぐ宙に口を開いた。
「っ宙くん……言ってる意味がよくわからないんだけど……
俺たちは、2人を保護する為にここに来たんだよ?
樹の真の目的を阻止する為にも……」
「そうっすね……けど、
2人はそんなこと望んでなさそうっすよ……」
「っ……」
「「っ……?」」
北斗をはじめ、圭吾達もゆり達が居る方へ目を向けた。
「……憲吾、
憲吾は今でも私と一緒に居たいって思ってる?」
憲吾を見上げるゆり、憲吾はゆりをそのまま抱きしめた。
「あぁ、俺はお前が居ればもう何も要らない。
表の世界に戻れなくてもな……
生きるのも死ぬのも、お前と一緒だ……。
もう二度と、
お前を離すつもりはない。」
「じゃあ、
『一緒に死んでくれる?』って言ったら……
一緒に死んでくれる?」
「「っ!?」」