第5章 ☆Story23☆ 迫り来る恐怖
涼介side
事務所にも連絡を入れた俺は念のために藤ヶ谷さんにも連絡を入れた。
今日は仕事のはずだから電話に出ないかなと思ったが、
休憩中なのか出てくれた。
「っもしもし藤ヶ谷さん?」
『あぁ山田くんか、どうした?』
「っお仕事中にすいません。
実は、ゆりちゃんのことについてなんですが……」
『っゆりがどうしたんだ……?』
「っ前に話した、班田順平のことです……
実は、ゆりちゃんが……」
『っ!?』
「班田が直接、ゆりちゃんを連れ去ったわけじゃなくて……
別の人物に連れ拐われたんだと思います。」
『っなんでそんな事が!?』
「っ本当にすみません……でも、
櫻井さんたちの方がすでに策を打っているんです。
多分、時期に解決すると思いますが
藤ヶ谷さんには連絡を入れておいた方がいいかと思って……」
『っ……策があればいんだが……』
「っ心配ですよね……ゆりちゃん、
用事終わったら三船くんの試合の応援に行くはずだったのに……」
『試合……?』
「はい……三船くんにとっても大事な試合みたいd…!?」
『っ山田くん……?』
「っ……」
涼介はとっさにあることが頭によぎった。
「っまさか……班田は……」
『山田くん、どうしたんだ?』
「っ班田……まさかわざとこの日に……」
『っ山田くん?』
「っ班田の本来の目的は三船くんなんです!
三船くんにとって、ゆりちゃんはとても大切な人……」
『っまさか……!』
「っその可能性が、高いと思います……
班田は、元々三船くんを呼び出すのが目的なんじゃ……」
『っじゃあゆりは、それに利用されたってことなのか……?』
「この線が合ってるなら、そうかと……」
『っ……』
「もし、ゆりちゃんの身に危険が迫ってるってわかったら……」
『……助けに、行くだろうな……彼なら……
試合を、放り投げても……』
「三船くんは、本当にゆりちゃんを大切にしてくれているんです。
班田は、そこにつけ込んで……」
唇を噛み締める涼介。
『……ゆりも、三船くんも、無事だといいな……』