第5章 ☆Story23☆ 迫り来る恐怖
「んじゃ遠慮なく……!」_グイッ!
「い”っ!」
男にツーサイドアップにしている片方の髪を引っ張られるゆり。
「お前も散々だなぁ……笑
三船と関わったばっかりにこんな事になるなんてよ(嘲笑)」
「っ憲吾を……憲吾を、悪く言わないでください……!
憲吾は、私が好きになった人です!
出会って後悔しただなんて、これっぽちも思ってない!!」
「ふんっ……意外と威勢がいいな……
見かけによらず……(嘲笑)」_ペロリ…
別の男は舌舐めずりしながらゆりの顔を伺った。
「んじゃ、始めちゃいましょうか……♪」_ブチッ!
さらに別の男はゆりの着ているトップスの胸元を引き裂いた。
「っいやあぁ!!」
『っゆり!?……っゆり!!!』
「っ!」
男に服を引き裂かれた瞬間に
聞き覚えのある人物の叫ぶ声が聞こえた……。
「っ……憲、吾……」
思わず涙を流すゆり。
「憲吾、」
『っ班田……お前、ゆりに一体何を……』
「小娘は俺らのとこにいる、
だから安心して来い……(嘲笑)」
ゆりのほうを見ながらスマホ越しの憲吾に告げる班田。
『っ……てめぇ……』
スマホの先からは憲吾の怒り帯びてるような声が聞こえた。
「フッ……おい小娘!」_グイッ!
「きゃっ……!」
班田はゆりの引き裂かれた胸グラを掴み
スマホをゆりの顔元に近づけた。
(っ憲吾……なんで……)
「っ憲吾!!
憲吾、そこにいるの!?」
『っあぁ!
お前、無事なんだろうな……』
「っ試合は?
今、どこにいるの……?」
なんで大事な試合があるのに……
『廃倉庫の近くまで来てる。
すぐそっちに行く……!』
っ憲吾……こんなの、罠に決まってるのになんで……
「っ来たらだめ!!
だって大事な試合なんでしょ!?
私は大丈夫だから、お願いだから会場に戻って!!」
オリンピック、出られなくなるかもしれないのに……
なんで私のために……