第20章 ☆??ルート☆ Bad END
「おめぇが好きだから、って言ったらどうする……」
「っ……!」
(っ響さんが私を好き……?
この人は、私のことをモノって扱ってるのになんで……)
響の思いがけない言葉に動揺を隠せないゆり、
思わずゆりは響に顔を向けた。
「はっ!そんなに驚くことか?」
「っだって……」
(っじゃあもしかして、あの時パパと一緒に過ごすように言ったのは
本当に気を遣ってくれたってこと……?)
「……ま、おめぇみたいなガキにこんな情を持つなんて
オレも思っちゃみなかったがな……」
「っ……じゃあ、何で響さんはいつも無理矢理犯すんですか……」
(好きならもう少し丁寧というか優しく扱って欲しいよ……)
思わず頬を少し膨らませるゆり。
「散々気持ち良く鳴いといてその言い草かよ……」
「っ感じたくて感じてたわけじゃないですから……」
「……生憎とオレは、三船と違って優しくねぇ性分だからな……
お前は、優しくされるほうが良いってことか?」
「普通、大抵の女の子だったらそう思うと思いますけど……」
(この人、散々女の人抱いてる割には女心に疎いのかな……)
「そういうもんか?
オレが口説くなり抱くなり大抵の女はオレに転ぶけどな……だが、
お前のような奴は初めてだった……このオレが
どんなに気持ち良くさせようが、お前の中にはアイツがいた……」
「っ……憲吾はもう、私の中にはいませんから……」
(もう憲吾とは終わった……もう、
誰も好きにならないって決めた……なのに……)
ふとの頭に思い浮かぶのは憲吾の顔だった。
だがゆりは頭を振り無理やり頭の中から消した。
「っ……」
(私の中にはまだ貴方がいる……早く忘れたい……
この苦しみから、解放されたいよ……)
「……また思い出していたのか?」
「っ!っ違います……!」
「見え見えだっつーの、」
「っ……」
ゆりは再び顔を俯かせた。
響はゆりに一瞬目を向けると前方を見ながら口を開いた。
「……三船のこと、忘れたいか?」
「っ!」