第20章 ☆??ルート☆ Bad END
図書室を後にしたゆりは一度教室に戻り荷物をまとめると
涼介が待つ学園の裏側に足を進めた。いつもの場所に行けば涼介が
出入り口の前で待っていた。
「ゆりちゃん学校お疲れ様、今日は写真集の撮影よろしくね。」
「はい、よろしくお願いします。」
ゆりはいつものように涼介の車に乗り撮影現場に向かった。
そして移動中、涼介は宙の一件から共演NGになったことや
栄吉からの謝罪の言葉があったと言うことをゆりに伝えた。
「昨日ね、社長に報告したんだ。
ゆりちゃんと宙くんのこと……」
「社長、やっぱり怒ってますよね……」
「怒ってはいないよ、たださすがの社長も動揺は隠せていなかったよ。
それに……片桐社長も会談に来ていたんだ。」
「っ……何で……」
「まあ宙くんの売り込みだよ。
ゆりちゃんのママの時みたいに空くんにビビッときたみたいでね。
それで今Annieで推すモデルの一人ってわけ。」
「っ宙さんが……」
「片桐社長は、宙くんを主体に
"モデルーキー" を復活させたいらしくてね。それでうちの事務所にも
千鶴ちゃんみたいにモデル活動に力入れてる子もいるでしょ?
それでうちのアーティストとも共演させたいという話だったんだ……」
「っ……宙さん、そんなに期待されているんですね……」
「みたいだね……それで、宙くんはゆりちゃんが好きでしょ?
宙くんはゆりちゃんとの共演を望んでいてね……」
「っ!」
(それが実現するなら、
組織の情報がもっと手に入りやすくなるかもしれない……)
「でも、俺の方からそれは断ったんだ。昨日の一件があった以上、
ゆりちゃんと宙くんを一緒にはできない。
共演NGという形を取らせてもらったよ……」
「っ……っなんで……!」
ゆりは思わず涼介に詰め寄った。
「っ何でって……そりゃそうだろ?
いくら許したと言ってもゆりちゃんに手を出したことに
変わりはない。それは美澤社長も片桐社長も承諾していることだよ。」
「っ……」
「それと片桐社長から……
監督不足であんな事になって済まない。宙くんのことはちゃんと
叱りつけるってゆりちゃんにも伝えるようにって……」
「っ……私は、本当に気にしてませんから。」