第19章 ☆Story36☆ 分岐点
『っほんと……ほんと憲吾って優しいっていうかお人好しだよね。
何で憲吾は、そんなに私を好きでいれるの……
私だったらやだよ。もし憲吾に他の女の子と寝たって言われたら、
私はもう憲吾のことを受け入れられない……。』
「っゆり……?お前、何言って……」
ゆりの様子がおかしい、俺はすぐに思った。
いきなりそんなことを言うなんて……
『っそういうの……重いんだよね。
憲吾がいいって言ってくれても、私は耐えられない。
辛いんだよ……憲吾と居ることが……。』
「っゆり、何言って……!」
『っ私に貴方は眩し過ぎるのよ!!その真っ直ぐさが嫌なのッ!!!』
「っ!?」
ゆりはさっきから、何を言ってるんだ……?
俺が眩し過ぎる?真っ直ぐさ……?何でゆりはこんなにも……
『っ今の私に、憲吾は眩し過ぎるの……それに、
私たちはお互いに夢があるでしょ?世界一になるって……』
「っ……あぁ……」
『それも、お互い重荷になると思うだよね……私だって、
ずっとこんな気持ちのまま憲吾と一緒に居たら仕事にも集中できない。
憲吾だって、今まで以上に練習頑張らないといけないでしょ……
だから、お互いの夢を叶える為にも私達は
一緒にいちゃいけないんだ「っ何だよそれ……!!」っ……』
重荷になる……?
ゆりは、そう思っているのか……?少なくとも俺は、
ゆりが居るから今まで以上に頑張れる……いつだか話した時も、
一緒に頑張って一緒に夢を叶えるって約束したじゃねぇか……なのに……
「っ俺たち……一緒に夢を叶えるって言ったじゃねぇか……
俺は、お前が居たから勝てた試合もあるし頑張れた試合もある。
少なくとも、俺はゆりを重荷にだなんて少しも思っていない。
けど……ゆりはそうなのか?」
『っ……そうだよ。今の私に、彼氏は必要ないの。
私にはメンバーも応援してくれているファンの人たちがいる……
その人達がいれば、私は十分だよ。
憲吾が、居なくてもね……』
「っ……」