第17章 ☆Story34☆ 代替試合
あれから何事もなく次の週の土曜日になり
この日は皇大学への推薦をかけた憲吾と吾郎の代替試合の日。
試合は午前中に行われることになっており憲吾達は神部先生と共に
大学内にある控え室にやってきた。
「三船、内山……いよいよ大事な試合がこれから始まる。
大学の推薦も掛かっているから気合入れていけよ?」
「「はい(っ!)」」
ちなみに相手選手は別の控え室にいる。
「……。」
(いよいよこの日が来たか……美澤社長がくれたこのチャンス、
絶対ものにして見せる……ゆりも、来るしな……)
憲吾は右腕につけたブレスレットを見ながら
ゆりを思い出していた。
憲吾と吾郎がウォームアップしているとドアのノック音が聞こえてきた。
_コンコン
「美澤です。入ってもよろしいでしょうか。」
「っどうぞお入りください!」
ドアの先には瑛二がいるようだ。
神部は急いでドアを開け瑛二を出迎えたが瑛二以外の人物の姿もあった。
「っ三船さん!内山さん!応援に来ました(照笑)」
「「っゆり(ちゃん!?)」」
((三船さん?汗))
瑛二の後ろにはユウを抱いたゆりと涼介に加えキラの姿があり
憲吾達は驚いた様子でゆり達を見た。だがさらに驚いたことは
ゆりが憲吾を『三船さん』と呼び2人は少し違和感を覚えた。
「久しぶりだね2人とも、今日は試合頑張って!
俺とゆりちゃんも応援してるからね。」
「っありがとうございます山田さん、
それにゆりちゃんまで来てくれて嬉しいですっ」
(憲吾とゆりちゃんのことが明るみに出るのはまずいって
わかってるけどなんか違和感感じる……汗)
「ありがとうございます。」
(ゆりに苗字で呼ばれんの少し違和感あるな……)
「2人とも、
今日は厳しい試合になると思うが思う存分戦ってもらいたい。
期待しているよ。」
「「はいっ」」
ちなみに3人が控え室にやってきたのはゆりの希望である。