第16章 ☆Story33☆ 喜びの再会
「皆さん、入って来てください。」
「「『っ……』」」
翔が扉のほうに向け声をかけると扉が開かれた。
扉の先には潤がおりその後ろにはゆり達と似た風貌の少女がいた。
だがよく見れば関節球体ドールのように体が構成されており
人間味はなく初見とは違う印象を与えた。
「っ……」
(人間っていうよりは、本物に近い人形といったところか……)
潤と6人のアンドロイドが入ってくると太輔達の前の前に立った。
「元のデータを元に彼女達の記憶を新たに書き換えました。
ですので彼女達が自らステージに立つということはありません。
ですがゆりちゃん達や皆さんの記憶は残っています。」
「「っ……」」
「……。」
太輔達が何も話せないでいると
ゆりの風貌をしたアンドロイドが太輔の元にやってきた。
太輔は思わず後ろに身を寄せた。
「っ……」
(なんでこっちに来るんだよ……)
『……こんにちは、"ゆりのお父さん"。
あの時は、ゆりになりすましててごめんなさい。』
「っ……!」
突然太輔に頭を下げるゆりのアンドロイド。
太輔はびっくりした様子で見た。
「っゆりのお父さんって……君は、
ゆりではないってことなのか……?」
『ゆりは、私のこと双子みたいって言ってくれた。
兄弟いないから嬉しいって……私も嬉しかった。
でも私はゆりの兄弟じゃないしお父さんの娘でもないよ。
ゆりに似たアンドロイドってだけ……』
「っ……」
太輔はアンドロイドの少女を見たまま何も言えずにいた。
そんな中翔は説明を再開した。
「Dolceの皆さんはそれぞれ彼女達と生きたいとおっしゃいました。
また彼女達も皆さんを支えたい、一緒に居たいとおっしゃいました。
そこで我々は、
彼女達はサポートAI付きのアンドロイドとして新たに改造しました。
これからはDolceの皆さんと一緒に住み
マネージャーの皆さんと共に皆さんをフォローしていきます。」
コクッ『『……。』』
Dolceのアンドロイド達は同時に頷いた。
「ちなみに名前はまだありません。
ここにいる皆さんが名付けてもいいですし
Dolceの皆さんにお任せしてもよろしいです。」
「っな、名前……?汗」