第16章 ☆Story33☆ 喜びの再会
ゆりは両端に置いてそのまま眠りについた。
百合はゆりが完全に眠りについたのを確認すると
ゆりに寄り添った。その瞬間ゆりは少し体を動かしたが
特に起きる様子はなかった。
「っん……」
『っ……汗』
(せ、セーフ……汗)
『……汗』
(何してんの母さん……汗)
「スゥ…スゥ……けんごぉ……」
『『……』』
((このバカップルめっ!!))
夢の中でも憲吾の名前を呟くゆり、
2人は同時にツッコむのだった。
『……』
(って!母さんが言っても説得力はないからね!?)
『……』
(だって私らよりバカップルじゃないの!?)
『……』
(どっちもどっちだから!)
叶輔と百合はしばらくテレパシーで会話をした。
再び夜は明け時刻は7:00、ゆりはまだ眠っていた。
『っゆりちゃーん!
もう7時になるよー?』
「んぅ……まだ眠いよぉ……」
『もう!』
(まぁあの事件の後に
ライブ2日連続でやってるから無理もないか……)
ユウは先にご飯を食べるためレンを持ち上げベッドから降りた。
ちなみにゆりはまだ布団に潜り込んでいるので気づいていない。
その隙に叶輔は百合におにぎりを1個渡し急いで食べるよう促した。
『……』_ぐいっ
(ほら!さっさと食べて!)
『んんっ!?』
(無理やり口に入れないでよ……!)
『ゆりちゃんが起きる前に食べるのっ』
『もぐもぐもぐ……ムスッ!』
(せっかちなんだから……!)
百合は少し不貞腐れながらおにぎりをもぐもぐと食べた。
その間に叶輔もおにぎりを1個食べた。
それからしばらくしてゆりは起き上がり……
「ふわぁ……あれユウ、もう朝ごはん食べちゃったの?
しかもおにぎりふたつも……」
『うん!
ゆりちゃんいつ起きるかわからないし先食べちゃったよ!」
「そっかぁ……ふわぁ……ねむっ…」
ゆりは眠そうにしながら洗面所に向かった。
『めちゃ眠そ……』
『玉森家の朝に弱い病がゆりにもあるみたいだねw
まぁ今のはどちらかというと疲れて眠い感じだけど。』
『初めての海外で気合も入ってたしそれも影響してるのかも。
ずっと張り詰めてたし……』