第15章 ☆Story33☆ 決着
「私たちも、貴女たちもお客さんに
パフォーマンスを見せてるっていう点は変わらない。
貴女たちのパフォーマンスも、とても良かった。
でも所詮は私たちのパクリ、
私たちの方がもっとお客さんを喜ばせられる……。」
『っだから……!私が本物の藤ヶ谷ゆりなの!!
私を誰だと思ってるの!?アンタみたいな偽物に!!
私が劣るわけないでしょ!!図々しいのよ!!!』
「「っ!?」」
((ゆりちゃん口悪っ!?))
「っ……!」
タイスケ以外の6人がゆりの口の悪さに驚いた瞬間、タイスケは
一瞬にしてどちらが本物のゆりかがわかった。
「っ……本物のゆりちゃんは後から来たほうだ。
なら、他の5人もそっちが本物だ……」
(俺の知ってるゆりちゃんは、
誰かを罵倒するようなことは絶対しない。それに、
誰よりもお客さんを喜ばせたいって思ってる素敵な女の子だ……)
「あっれ〜?
ねぇねぇ日本で中継を見てるゆりぴーファンのみんなー!!
ゆりぴーってこんなに人の悪口言う子だっけ〜?」
『っ!?』
「っやっぱりな……俺にはわかるよ……」
「っ……本当に、
どちらかが本物でどちらかがアンドロイドなの……?」
ユウタは呆然としながらタイスケを見た。
「らしいな……でも、ここからどんな展開に……」
(つーか、組織とかってなんだよ……俺らの知らないところで、
一体何が起きてんだよ……)
7人が中継を見守る中、来海の言葉は7人に衝撃を与えた。
「ゆりのファンなら、当然どっちが本物かわかるよね?
アタシたちは、
これから目の前にいる6人と勝負するからよーく見ててね!
どっちが本物だと思うか、みんなに投票してもらうからね!!」
「「っ……!?」」
「っ勝負って……一体何を……しかも投票って……」
7人が話に追いつけない中、凪咲が勝負についての説明を始めた。
「では、勝負のルールは私が説明させて頂きます。
私たち6人と、そちらの6人……
私たちはそれぞれパフォーマンスによる対決を行います。
勝負は全部で6回、メンバーが得意とする分野で対決をしてもらいます。」
「っなるほどな……けど、」
(日本のライブならまだしも、現地の客が多い北京じゃ
すぐ見破ることなんて……)