第15章 ☆Story33☆ 決着
憲吾side
「っゆり!!」
_ドゴオッ!
「んんんっ!!」
「っ……ゆりッ!!!」
「っ……」
もう一つの扉を打ち破ればその先にはベッドの上で
縄で縛りつけられているゆりの姿があった。憲吾を見るなり
涙を浮かべるゆり、憲吾は急いでゆりに駆け寄った。
っやっと逢えた……ゆり……
ずっと、お前に会いたかった……。
「っゆり!!
今すぐ縄を取ってやるからな……」
「ん、んん……ッ…!」
縄で縛られているゆり、しかも口まで塞がれている……
一体誰がこんな酷い事をしたのかは後だ……。
早くゆりを楽にしてやりたい……。
憲吾は少し痛々しいと思いながらもゆりの縄を丁寧に解いていき
口元のガムテープもできるだけ痛くないようゆっくり外していった。
そしてガムテープを剥がすとゆりは憲吾の首元に抱きついた。
_ビリ…「っ!っ……憲吾ッ!!」
_ギュッ…!
「っゆり……!」_ギュッ…
(今度こそ、本物のゆりだ……ずっと、会いたかった……)
憲吾もゆりに応えるように頭と腰に手を回し抱きしめた。
抱きしめるゆりからは確かにゆりの温もりが伝わってきた。
「っずっと……ずっと憲吾に会いたかった……!!」
「っ俺もだ……よかった……お前がいてくれて……」
「っう、うぅぅ……!」_ギュウゥ…
「っ……」
(本当に無事で良かった……ゆり……)
2人が抱き合っていると仮面ティーチャーも声を掛けた。
『っゆり……どこも怪我はないか?』
「っ……仮面ティーチャー!っなぜ貴方までここに……」
『ゆりを……ゆり達を助けに来たに決まってるだろ……
生徒を守るのが、俺の使命だからな……』
「っ……」
本当にこの人は強いな……こんなにも、
生徒を想ってくれるなんて……
『っ良かった無事で……本当に……』_ぎゅっ…
「「っ……!」」
2人を抱きしめる仮面ティーチャー
「っ仮面ティーチャー……」
(この人が居てくれて本当に良かった……でなきゃ、
俺がここに辿り着くこともゆりも助けることが
できなかったかもしれない……)