第15章 ☆Story33☆ 決着
「っ……」
(あれは偽物だ……ゆりじゃない。落ち着くんだ俺……。
さっきと同じように1回で気絶させればいいだけなんだ……!)
心を落ち着かせようと心に訴えかける憲吾、なかなか攻撃を
することができず先にゆりの姿をしたアンドロイドが動いた。
_ダッ…!
『っ三船!避けろ!!』
「っ!」
「はっ…!」_ドカッ!
「ぐッ…!」
憲吾の隙を突きゆりは腹を目掛け蹴りを入れた。
後ろに蹴り飛ばされた憲吾は腹を押さえながらその場に膝をついた。
そしてゆりを見上げる憲吾。
「っ……ゆり……」
(っ無理だ……!俺にはゆりを殴ることなんて……)
その場で動けない憲吾、ゆりが憲吾の元に歩み寄ってくると
胸ぐらを掴みそのまま顔目掛け拳を入れた。
_グイッ「……お前を倒すのが私の役目……。」
_ガッ…!
ゆりは憲吾に氷のような視線を向けたまま拳を振るった。
「っく…!っ……ゆり……」
顔を殴られてもそれを避けることができない憲吾、
ただゆりを見上げることしかできずそのまま数発顔を殴られた。
「っぅぐ……!」
「……。」
『っ三船!しっかりしろ!!
それはゆりじゃない!!』
「っ…_ドカッ!……っゆり……」
(分かってる……目の前にいるのはゆりじゃない……けど、
体がいう事を聞かない……俺に、ゆりに手を出すことは……)
【っ憲吾…!!】
「っ!?」
(っゆり……?)
憲吾の頭の中にはまたゆりの声が聞こえてきた。
それはまるで憲吾に助けを求めているようだった。
【っ助けて憲吾…!!私はここにいるの!!】
「っ!」
(っゆり!今すぐ行くから待ってろ!!)
頭に聞こえてくるゆりの声で我を取り戻した憲吾、
目をカッと見開くと目の前にいるゆりの手を掴んだ。
「っ!?」
「っ俺が探してるのは……お前じゃない!!」
そして憲吾はゆりの腹に思いっきり拳を入れた。
ゆりのアンドロイドは憲吾に倒れこみ気絶した。
_ドゴッ!「ぅぐッ……」
「偽物には用はない、しばらく眠ってろ……。」