第15章 ☆Story33☆ 決着
「っ……はい……」
仮面ティーチャーの強い言葉に思わず返事をする憲吾。
そして救出作戦を実行するにあたって最終確認と調整が行われた。
「突入班及び中に潜入する者は全員この探査機を身に付けて下さい。
これはアンドロイドに内蔵されている媒体やマイクロチップに
反応するよう作られています。相手側は巧みなアンドロイドを作ることが
できる……もしかしたら、見つけた6人はまたアンドロイドという
可能性がありますからね……。」
「っ……」
(本物のゆりは、本当にいるのか……もし、
ゆりが居なかったりまたアンドロイドだったら……)
翔の言葉に思わず不安になる憲吾、仮面ティーチャーは
それを察したのか憲吾の肩に手を置いた。
「っ!」
『大丈夫だ。ゆり達はきっといる……助けるんだ。』
「っ……はい、」
(こんなとこで悩んでも仕方ない……まずは中に入って
ゆりを見つけ出さないと……)
ちなみにゆり達6人がどこの部屋にいるかは潜入していた
公安警察の捜査でわかっておりそれぞれ作業班による救出班を作っており
女性隊員も1人ずつ配置されている。大我はゆり救出班の
メンバーで仮面ティーチャーは各班を援護するのが役目。
捜査によれば6人は互いに近くの部屋にいることがわかっている。
「……仮面ティーチャー、救出はあくまで俺たち
作業班の仕事だから、無茶はしないでよね……」
『……だが、ゆり達を傷つけているような奴らなら
俺でも容赦はしない。生徒を守るのが、俺の役目だからな……』
「相変わらずなんだから、アンタは……」
親しそうに話す大我と仮面ティーチャーを憲吾は不思議そうに見た。
「……。」
(京本さんと随分仮面ティーチャーって元から知り合いなのか……?)
「三船くん、突入まであと1時間です。
心の準備はできていますね?」
「はい。俺は仮面ティーチャーを信じます。」
_コクッ「……では、潜入班は先に本拠地に向かって下さい。」
翔は憲吾の言葉に頷くと突入班とは別の潜入班に指示を出した。
潜入班は返事をするとアジトのある本拠地へ向かった。
「……三船くん、貴方の出番が来るまでもう少しお待ち下さい。
ゆりちゃん達を、助け出す為に……」
「はい……。」