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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第14章 ☆Story32☆ 逃げられない


それから30分ほど膝枕をし東郷はゆりの太腿から離れた。
時刻は22:00を回ろうとしており東郷は掛け布団を捲り布団に入った。


「そろそろお前も寝たいだろ?
今度はオレが腕枕してやる、こっちに来い。」

「っ……」


またもやゆりは少し警戒しながらも布団の中に入った。
東郷は右腕を伸ばしており少し躊躇しながらもその腕に頭を置いた。


「っ……重く、ないですか……?」

「別に、これくらいどうってことねぇよ。」


布団を肩までかけてやると右手でゆりを引き寄せた。
そして頭を抱え自身の胸元に寄せるとそのまま頭を撫でた。


「っ……」

「……お前、父親には腕枕してもらったことあんのか?」

「一緒に寝たことはあっても、してもらったことは……」
(パパ、ママには腕枕してあげてたのかな……)


ふと思うゆり。


「ふーん……」

「それがどうかしたんですか?」

「別に、」


また「別に」と言うとゆりの頭を撫でる。
ゆりは今日の疲れもありしばらくするとウトウトし始め
そのまま目を閉じ眠りについた。


「スゥ……スゥ……」

「寝たか……」


時刻は22:30、東郷はそっと腕を退かし
ゆりを起こさないよう起き上がった。


「そろそろ身支度始めるか……」


少しの名残惜しさを感じながらも
身支度を整え数人の部下と共にアジトを後にした。

















「伊集院、あとは頼んだ。
ヘマはするんじゃねぇぞ……」

「はい、後のことはお任せください東郷様。」

「特に、オレの部屋は厳重にしておけよ。」

「はい、承知しております。
甚くあの娘を気に入っているようですね。
余程面白い玩具なのですか?」

「玩具、だと……?」


伊集院の言葉に眉間に皺を寄せた。


「おや?玩具ではなかったのですか?」

「アイツはオレのモノではあるが玩具ではない。
二度とそれを口にするな。」


東郷が伊集院を睨みながら告げる。


「ッそれは大変失礼致しました……
では東郷様、いってらっしゃいませ。」

「……あぁ。」
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