第14章 ☆Story32☆ 逃げられない
「っ……」
(っ綺麗な顔……こんなかっこいい人が、この組織のボスだなんて……)
小学生の時から芸能界にいるゆり、ドラマや番組などでも
ジャニーズを始めイケメンと呼ばれる部類の俳優やタレントに
数々と会った事はあるがここまで顔が整っている人物は初めて見た。
そして心の底からかっこいいと思ったのは東郷が初めてだ……。
「ふっ……オレに見惚れてでもいたか?」
「っ!?っちが…///」
「オレはこれまで、数え切れないほどの女を抱いた。
この容姿で近づけば大抵の女は俺に転ぶし寄ってくる……」
「っ……」
東郷はそう言われてもおかしくないほどに端正な顔立ちをしている。
だがゆりの心は動かない。東郷は確かにカッコいい男ではあるが
ゆりにとってカッコいいと思える人物は憲吾しかいなかった。
「っ貴方は、確かに見惚れるくらいかっこいいですよ……けど、
私が心の底からカッコいいと思える人は憲吾しかいない……」
「……。」
「私はこの先もずっと、憲吾しか見えないと思うから……
貴方がどんなことをしても、私の心は変わらない……」
「まだ中学生の分際で、そんな大口が叩けるものだな……」
「っ年齢なんて関係ない……!
私が本当に好きなのは憲吾だけなの……っだから……」
「……今のオレがどんなに口説いても、
お前の気持ちは揺るがなそうだな。」
「っ当たり前よ……!どんなこと言われても私は!」
「このオレ相手にここまで揺らがない女はお前が初めてだ。
ますます手に入れたくなるな……」
「っ……」
「気持ちは変わらない、か……だが、身体はどうだ?
身体だけは正直だ。現に、お前もオレに感じていたんだからな。」
「っ……」
唇を噛み締めるゆり、心は変わらないとはいえ
東郷の言うとおり身体は確かに感じていた。
もしこれが憲吾ならもっと良かったと思うほどだった……。
「お前の心まで手に入れるのは相当時間が掛かりそうだが、
身体はすぐにでもオレのモノになりそうだな……。」
「っ!?っいやよ絶対……!」
「身体は正直だってこと……
これからたっぷりと時間を掛けて教えてやるよ。オレしか、
感じられないくらいにな……」
_キシッ…
東郷はゆりの上に跨りベッドがキシッ…っと音を立てた。
「っや……憲吾……」