第14章 ☆Story32☆ 逃げられない
「っゃだ……見ないで…_グイッ…!///」
「弄ってないのに濡れてるな。」
「っ言わないでぇ…_チュウゥ…っぁあ!///」
ゆりの言葉を無視し右足を持ち上げ
裏側についている跡にキスをし上から下へと付けていく。
右足が終われば次は左足も同じように印をつけていった……。
「っはぁはぁはぁ……///」
「……とりあえず、キスマの上書きは終わった。
これでほぼアイツはもうお前の中には居ないだろ?」
「っ……///」
確かに東郷の愛撫は出雲に比べ丁寧であり
気持ちよくないと言えば嘘になる。ゆりは好きでもない相手に
感じてしまうことを恥じ涙を浮かべた。
「……好きでもない相手に感じることを恥じているのか?」
「っ……だって、憲吾以外にこんな……こんな…ぅぅ…ぅう……!」
ゆりは溜めていた涙を溢れ出すかのように泣き始めた。
こんな姿を憲吾が見たらどう思うのだろうか、
幻滅するのではないかと考えるだけで辛かった。
「……気持ちよくなるのに、恥じる必要などない。それが人間だ。
相手を好きだろうが嫌いだろうが、
気持ちよくなってしまえばそれまで……ただ相手が上手いだけの話だ。」
「っ……」
「お前はオレの愛撫に感じた……それだけだ。」
「っ……」
(っけど、やっぱり憲吾以外感じるのいやだよ……憲吾……
っ憲吾に会いたい……一度だけでいいから、もう一度に会いたいよ……)
「……お前がそれほどに想う男、オレも一度は会ってみたいものだ。」
「っぇ……」
「ま、仮にそんな事があったとしても……奪うまでだがな。」
「っそんな事、できるはず……っ私は…!
憲吾以外を好きになるなんてこと……!」
(私がこの人を好きになるなんて絶対ない……!)
「ふっ……
お前がどこまでその男を追い続ける事ができるのか、見物だな。」
「っ……睨」
ゆりは涙を見せながらキッと東郷を睨んだ。
「今のお前に睨まれても、何の効果もない。
むしろ逆効果というものだ……言ってる意味が分かるか?」
「っ私は絶対……心までは奪われない……!」
「……それじゃ、その言葉が本当かどうか確かめてみるか。」_スッ…
「っ……」
東郷はずっとつけていたサングラスを外し始めて顔を見せ
その姿にゆりは思わず息を呑んだ……。