第14章 ☆Story32☆ 逃げられない
百合がレンから抜け空の上にいることを知らない太輔、
玉森家の3人はホテルの中を散策に行ったため部屋には太輔だけがいる。
裕太達が出ていったのを確認すると、
太輔は百合達のいるソファーに向かった。
「百合、ずっと喋れなくて辛かっただろ?大丈夫か?」
『……。』
「っ百合……?」
『……。』
「っ百合!!
っ何で百合まで何も喋らないんだよ……まさかまた……」
太輔の呼びかけに答えない百合、
太輔が呆然としていると突然レンがその場でジャンプした。
_ピョーン!
「っ!?」
『お母様!ただいま帰還よ〜っ!!』←
「っ百合!?」
『太輔、ただいま!』
「っただいまって……お前どこに……」
太輔は呆然と百合を見て少し戸惑っていた。
『叶輔に会うために、ちょっと空に行ってたの。』
「っ叶輔に……?
もしかして、叶輔がお前に反応しなかったのって……」
『うん、神様が取り上げてた……。
叶輔、ゆりがすり替えられる前必死に助けようとして、
組織の人に八つ裂きにされたみたいなの……』
「っ叶輔……」
思わず叶輔を抱き上げる太輔。
「……叶輔、ゆりを守ろうとしてくれてありがとな?
ゆりは大丈夫だ。きっと、櫻井さん達が助けてくれる。」
『……。』
「……って、俺が言っても反応しないよな(苦笑)」
『……叶輔、太輔の前で喋ってあげたら?』
「っはああ!?
っておいおい、叶輔はゆり以外に……」
百合の発言に声を荒げる太輔。
『いや、よく考えれば太輔にはバレてるわけだし……
この場にゆりがいなければいいんじゃない?
ねえ!喋ってあげなよ!』
百合がそう言うとしばらく間を作って叶輔が話し始め
太輔は分かりやすく驚いた。
『……父さん、』
「っほ、ホントに喋ったあぁッ!?」←
『『いい反応w』』←
「っ……お前が、本当に……」
『うん、叶輔だよ?
ゆりちゃんの前ではユウだけどね。』
「っ……」
『父さん、凄い驚きようだね。
まあ無理もないだろうけど……』
「あ、あぁ……まだ驚いてる……」
(いざ目の前で話されると驚くわ……)